糞尿譚
「伴淳・森繁の糞尿譚」 1957年 松竹
これも観たいと思っていた映画がやってました。
一昨日書いた赤塚不二夫が批判する二人がまだ高慢じゃない頃です。
糞尿譚とは、汲み取り業、今で言う屎尿処理です。
伴淳がその業者です。舞台は昭和初期。
トラックを持つと優位性を活かし、組合の設立で、処理料の安定と集中を計ろうとしますが、
政治的圧力に潰されます。
そこで、助け舟に入る男。
彼の言う方法で活路が見えましたが、先には大きな落とし穴が…。
大きなテーマは、
自由競争を阻む政治の圧力。
真面目に真剣にやっても、コネクションで優位に立つ物には負ける。
そして、利権をめぐるコネクションは果てしなく複雑にからんで、
弱い経営者には余地がありません。
笑いもありますが、全体ではシリアスなストーリーです。
森繁はとってもC調ですが、いいキャラです。
脇役にも山茶花究、沢村貞子、嵯峨美智子
何気なく森川信や曽我廼家明蝶が出ているのも良いです。
こういうの見ると、肥やしを畑に返さなくなって、
下水道、化学肥料を使うようになった事が
循環社会の最初の崩壊のような気がするのですよね。
(Hatena::Diaryより転載)
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