乱れ雲
「乱れ雲」 1967年 東宝
成瀬巳喜男監督の遺作です。この映画の二年後に63歳で亡くなります。
妻が懐妊し幸せ一杯の若い夫婦(司葉子と土屋嘉男)は
夫が外交官で近く外国に夫婦で赴任予定でした。
しかし突然夫は交通事故で亡くなります。
夫を轢いてしまったのが加山雄三。しかし完全な過失で無罪となります。
その後、左遷され青森の支社へ転勤します。
未亡人の司も子供を中絶し、夫の実家に離縁され。
実家である十和田湖の旅館に向かいます。
そこで始まる二人の恋愛というメロドラマです。
加山雄三は「乱れる」で高峰秀子と義姉弟の恋愛を演じましたが、
この映画でも加害者と被害者という普通ではない恋愛を演じます。
「乱れる」でも、この映画でも、加山が告白した場面から女性が変化します。
そのほとんどはしぐさ、表情です。これは成瀬映画だと思います。
そして「乱れる」では高峰に「私だって女よ」という台詞を言わせています。
もうひとつ、成瀬監督の映画で「ひき逃げ」(1966年)という作品があります。
これは、轢いた真犯人が司葉子、子供を轢かれた母親が高峰秀子です。
司の立場が逆になります。
この3本を観るとつながりを感じます。
私は東宝の娯楽映画が好きだったので、
社長シリーズの司葉子や若大将の加山雄三がこんな映画をやっていたのが意外でした。
でもだんだんこの路線が好きになってきているような…
(Hatena::Diaryより転載)
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