浮草

2015年1月22日

「浮草」 1959年 大映
小津安ニ郎監督の後期の作品です。
中村鴈治郎 、京マチ子、若尾文子、川口浩といった大映のスターが
出演しています。小津映画らしく、笠智衆 もちゃんと出ています。

小津映画は詳しくありませんが、連休前に書いた若尾文子主演の、
「青空娘」これは増村保造監督ですが、と較べると、スピード感が
まるで違います。
「青空娘」は初めのシーンなど下手をするとはしょり気味に展開す
るのに対し、「浮草」はゆっくりと止まったように進みます。トイ
レにいっても配役がわかるといってもいい程です。

そして中村鴈治郎演じる劇団の親分、その女房の京マチ子、劇団の
若い娘若尾文子、勧進先の土地の女性杉村春子、その息子川口浩が
少しづつキャラクターを変えていきます。
そのキャラクターの変化が、人間の心の動きの変化なのですが、
ストーリーを通すとそれが良くわかります。

ラストシーンがなかなか魅力的です。私はあらすじのすべてを書か
ない主義なので、興味のある人は観てください。

(Hatena::Diaryより転載)