医学の限界

2015年9月8日

旧 9月2日 仏滅

各務宗太郎という子供が亡くなりました。
この子は生まれつきの難病で、臓器が機能せず、経口で栄養を取れない状態で8年間生きてきたそうです。
高栄養の点滴によって成長してきたのですが、体格、筋力などは健康な子供の様には育っていません。
歩くことも困難な状態でした。(足の筋肉や背筋などがひどく衰えていました)自身の腸内細菌を血液に流し込んでしまうことで常に感染症に冒されていたそうです。

これまでも、いくつかの臓器を摘出、ストーマ(人口肛門)の増設などを繰り返したものの、最終的には臓器の移植しか方法がなかったそうです。

日本では15歳未満のドナーの移植が認められていないため、渡米して手術を受けました。莫大な費用は募金でまかなったそうです。

5つの臓器(胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓)を移植するという手術をしました。
当初は移植が成功したかに思えたのですが、移植した臓器が自身を攻撃するというGVHDという症状に陥り、術後約半年で亡くなりました。

現在、この事に関して多くは語りたくないのですが。
自分の親とか職場のNさんとかは胃がんでを全摘手術して今生きています。
「生きる」とか「白い巨塔」では胃がんは死の病です。
でも王監督もそうですが、早期ならば死なずに済みます。

私の親父も胃の全摘後6年経過しました。
5年経過で、胃がんは全快。もしその後がんを発見したら、再発ではなく新たながんと観るそうです。
つまり、現代では初期の胃がんならほぼ完全に治療できるのです

親父の胃がんが発覚した時に思い出したのが。逸見政孝さんでした。
スキルスという早いがんで、しかも初期を過ぎた彼に、著名な医師が、
胃(その前にも一部切っていた)、大腸、小腸の一部、脾臓
など臓器を3kg摘出する手術をしました。
結果的にはがんは体の中にたくさん残っていて、逸見さんはカヘキシーで亡くなりました。

これからも医学が発達するから、死ななくてすむケースも増えるでしょう。
でも、医学のギリギリに挑戦するのは人間的に覚悟が必要です。
生き延びたい、誰でも。
しかし期限が決まってるならその間を充実させるべき(ホスピス)。

難しいところです。

点滴で生きて行くにはもう限界

(Hatena::Diaryより転載)