パラジクロロベンゼン

2015年1月30日

旧 9月26日 仏滅

日清カップヌードルの食中毒で「パラジクロロベンゼン」が発見されたそうです。

私は日大文理の化学科に入っただけ(中退)の人間ですが、それでも有機化学の基本。
ベンゼンはわかります。

炭素が6個、六角形(カメの甲:ベンゼン環)の形に結びつきそれぞれが1個の水素と結合します。
C6H6です。

パラ(対に)ジ(ふたつ)クロロ(塩素)ベンゼン
は塩素が2個対の位置に水素と置換された分子です。

ちなみに、ベンゼン環を2つつなげるとナフタリン(C10H8)になります。

高度経済成長のあたりまで、衣類の防虫剤はナフタリンがメインで、
衣更えの頃、「やだ、この服ナフタリン臭いよ」なんて言われていました。

ナフタリンもパラジクロロベンゼンも揮発性(固体が気体に昇華する)がたかく、
つまりそれを吸気する可能性が高いのですね。

で、ナフタリンは揮発上の毒性が強いことを指摘され、パラジクロロベンゼンが市場に出まわりました。

パラジクロロベンゼンは、防虫剤として使用したあとの衣類に付着した程度では害は少ないです。
しかし、口にすると少量でも、命には別条ないものの食中毒程度の害があります。

今回の場合、共に防虫剤であること、食品の製造過程では使わないことを考えると、
愉快犯が濃厚だと思います。

変な臭いや味のするものは食べないに限るのですが、
化学調味料や添加物も変な味をもっていますから、わかりにくいのかも知れません。

みなさん、気をつけましょう。

(Hatena::Diaryより転載)