くめ納豆

2015年7月3日

旧 7月9日 先負

納豆メーカーのくめ納豆(くめ・クオリティ・プロダクツ)が民事再生申し立ての手続をとって、ミツカンが吸収する方向らしいです。
以前の仕事で扱っていて、しかもこのメーカーは好きだったので感慨があります。
「丹精」という商品なんかにおいもクセも軽くそれでうま味があり、
関西人でも食べられそうな商品です。

納豆って昔は地場の小さなメーカーが多かったのですが、
スーパーんの発展とともに集約がおこりました。
商品特性の近い「豆腐」よりもNB化しました。
(保存性と生産工程の違いだと思います)
有名なのは

  • ヤマダフーズ(ひきわり納豆の元祖ともいわれます)
  • あずま食品
  • おかめ納豆(タカノフーズ)

などです。

近年さらに、

  • 旭松食品(こうや豆腐で有名その後『なまみそずい』で成功)
  • ミツカン(酢業その他の大手、朝日食品という水戸納豆の大手を吸収)

という他分野での大手が参入しました。
商売をしているとわかりますが、高額の非消費材をたまに売るより、
小額の消費材を数多く売る方が儲かります。
ミシュランやブリジストンが自動車会社の親会社になった道理は、
タイヤのほうが使って減るものだからです。

納豆や豆腐はそれは沢山売れます。毎日、毎日。
だから、どのメーカーも儲かってよさそうなんだけど、
まともな商品は原価が下げられないのです。
包材や調味料を除くとの原料はほぼ大豆のみです(納豆菌も使う)。
原価が下げつらい、つまり利幅が小さいのですね。

こうなるとシェアを伸ばせるメーカーは有利だけど、
中小はじり貧になってゆきます。
くめ納豆なんて、高品質を売りにしていたからなおさら。
難しいのは、いいものだからって納豆に何千円も取れない、
そうすると市場が変わりますからね。

業界を問わず案外、現代の産業の問題点なのかも知れません。

(Hatena::Diaryより転載)