日本版AOC?~うまくいくかな
こんなニュースを見ました。
国産の原料を使ったものは「日本酒」と名のれるが他はダメ。ただ単に「酒」とするのか「清酒」とかするのかはわからないけど。カリフォルニアで作ってるのも「Japanese Sake」とは言えなくなっちゃうと思う。
かつての我が国はこの手のことがゆるくて
- 合成酒や三増酒(醸造酒にアルコール混ぜて三倍に増やしちゃう方法)も普通に清酒扱いしてた
- サントリー(寿屋)のかつての看板商品は赤玉ポートワイン→ポルトガルからのクレームで名称変更
- かつてあったウイスキーの級別制度。モルト原酒の混和率の規定は、特級-27%以上、1級-17%以上、2級-10%未満。グレンウイスキーも入るから一概には言えないけど、とてもじゃなけどウイスキーと呼べないものがあったのも事実
- 浅草の神谷バー名物「電氣ブラン」発売当初の名称は「電氣ブランデー」であった、もちろんブランデーではない。
桶買いと言って、小さな酒蔵が造ったお酒を大手メーカーが買い上げてブレンドしてそのブランドで売るなんてことが常態としてありました。洋酒は海外から原酒を仕入れてブレンドして売っちゃう。
制度(財務省、国税丁)と造り手の意図がうまく連携できず、売らんかなや税金のがれで粗悪品や不当な表示のものが出るのを押さられなかった時代がありました。多くの物は30年ぐらい前からいい方向に変わりましたが発泡酒や第3のビールとかよろしくない展開も一部にはあります。
逆に良い物が貶められてるというか、与那国のどなん(花酒)はアルコール度が60度のため「原料用アルコール」という表示がついてます。酒税法でこんな高い度数の飲み物を想定してないからです。
今回の提案はWTOの酒類の地理的表示に基いているらしく、既に壱岐焼酎、球磨焼酎、琉球泡盛、薩摩焼酎、白山の清酒、山梨ワインの6産地が指定されているそうです。ただし生産地で定められた製法ということで原料の細かい指定はないみたい。
我が国においては、国税庁長官が国内で保護する果実酒、単式蒸留しょうちゅう又は清酒の産地について、平成7年6月に「壱岐」、「球磨」、「琉球」を、平成17年12月に「薩摩」、「白山」を指定し、さらに平成25年7月には「山梨」を指定したところです。これらの産地を表示する地理的表示は、当該産地について定められた方法で製造された果実酒、単式蒸留しょうちゅう又は清酒でなければ使用することはできません。(国税庁のサイトより)
この地理的表示の他にヨーロッパなどでは各国で制度を作っています。一番有名なのがフランスのAOC(原産地統制呼称)。ワインやチーズ、農産物に適用され規定を満たしていないと原産地を名のれません。原料についてはワインはそこで栽培されたもの、チーズはそこで飼育された牛や羊から搾乳したものとなります。イタリア、スペイン、ポルトガル、ドイツなどにも主にワインに関してですが似た制度があります。
そもそもヨーロッパでワインに関する制度が整備されたのは、アメリカ大陸発見後にフィロキセラというぶどうの根っこを食べちゃう害虫がヨーロッパに広がってワイン生産が壊滅的な被害をうけ、その後に低品質のイミテーションが出回ったことによります。アメリカのぶどうは耐性があったためそれを台木に接ぎ木してヨーロッパのぶどうが復活するのですが、われわれのワインを守ろう!という動きになりました。
振り返って今回の日本酒はクールジャパンの一環といいますが先に税金ありしです、だって言い出しっぺが国税庁でしょう。お酒って結局は農産物だから生産者とメーカーそれそれの理解がないと難しいと思う。だから農水省と連携してやってくべきなんだけど日本のお役所ってそれ苦手でしょう。TPPじゃなけど補助金で農家守ってるだけではダメじゃないかな。ヨーロッパは地産地消でまかなえる場所も多いですが、日本は国土が狭く、人口が多いのでどうしても流通がないとやっていけない。
その産地の米と水でつくった日本酒って言いたいとこだけど、せいぜい国産米でというのが限界なのかも知れません。でもいい動きだから応援していきたいです。
プランターの小さなカブを収穫しました。葉っぱは油揚げと炒めてカブはぬか漬けにします。ACたけいちろうの漬物。
Viernes,doce de junio de 2015
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