東京の風景
「続・若い季節」 1964年 東宝
一昨日書いた「若い季節」の続編です。社長シリーズなどの続編は本編の半年後に上映されるのが普通ですが、この作品は前作から約1年半経っています。
キャストも大幅に変わり、クレージーのメンバーも、谷啓、植木等、桜井センリがチョイ役で出てるだけです。
「三人娘」(中尾ミエ、園まり、伊東ゆかり)が主役、三橋達也、藤田まこと等が共演です。
三人娘は当時のアイドルなのですが、クレージー的な前作の華やかさに比べると個人的にはイマイチかなーという感じです。
前作も今作も面白いのは役者の名前をそのまま使っているところがあるのです。
植木さん、松村(達雄)さんとか、すぎむらとか、三橋さんとか。
見る人にわかりやすくしたのでしょうか?
オープニング(クレジット)のシーンで、空から都心を映しています。
ちょうど東京オリンピックの年で首都高も整備され、この頃の映画ではこのように近代的に変わった東京を誇らしげに映すことが多いです。
東京タワーが一際高く、美しい景色だと思います。
実はこの頃はビルの高さに31m規制というのがあって、高層ビルは建てられなかったのです。31mというと8階~9階、高いビルでもせいぜいそれくらいの高さだったのです。
この規制が外れて最初にできた超高層ビルが昭和42年(1967年)の霞ヶ関ビルです。
あと、この年1964年の4月にオリンピックの開催を機に海外渡航が自由化されています。今では信じられないことですがそれまでは、民間人が「観光旅行」として外国に行くことはできなかったのです。
こんなことも踏まえて観ると、当時の人の価値観がつかめるかもしれません。
(Hatena::Diaryより転載)
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コメント一覧
訂正です
「霞ヶ関ビル」の落成は昭和43年(1968年)でした。
ちなみに
「超高層あけぼの」 1969年 日本技術映画社
という霞ヶ関ビルの建設に関しての映画があります。
中村伸郎や田村正和、渡辺文雄などが主演しています。